しぶちんはしぶちん

mixi で日記を書いていたのですが、廃れてきて書いていてもせんないので、ブログにすることにしました。綴り方の練習くらいのつもりかな。

『ブラックホールを見つけた男』読了

一般相対性理論の解を数学的に研究して、ブラックホールの解を見つけたチャンドラセカールの伝記だ。彼はその業績でノーベル賞を授賞している。しかし、本書の中心は、むしろ、当時の天体物理学の大御所との争い、というか、大御所に一方的に攻撃され孤立するインドから来た天才学生の心の葛藤であろう。大御所との確執なものだから、その後も業績がなかなか評価されず、人種差別されたり、と全体に暗いトーンで彼の人生が描写されている。以降の研究も素晴らしいのだろうが、イマイチ良さが伝わってこないし、ノーベル賞をもらうシーンでもカタルシスがない。なんか暗い人生だったように読めてしまいました。伝記なんだから仕方ないのかも知れないけど、もう少し彩りある描写はできなかったものかと感じます。履歴だけを見れば大成功した人には間違いないんだしさ。チャンドラセカールの人生に興味を持った人以外にはあんまりお勧めできません。