しぶちんはしぶちん

mixi で日記を書いていたのですが、廃れてきて書いていてもせんないので、ブログにすることにしました。綴り方の練習くらいのつもりかな。

手段と目的

 私は Twitter やブログをフォローする時に、出来るだけ様々な意見を読むようにしています。原発問題でも、安全派も危険派もいます。他のことでは、鋭い意見を述べている人ばかりですしね。今回の山本太郎議員の問題で気がついたのは、危険派の人々がほとんど山本議員を擁護していることです。

 危険派の方々は、当然、普段の発言が反権力的なものが多い方々です。それが、現在の政治と言う権力に反権力になるために、ある意味、もっと独裁的な権力に期待することを容認することになっています。それは、やっぱりまずいわけで、ひいては、彼らの原発問題に対するスタンスまで「政治的」に見えてきます。

 目的のためには手段を選ばずが悪いとは思わないけど、それが外から見えちゃうと支持を失ってしまいますよ。

 

水戸黄門症候群

 山本太郎議員が園遊会天皇陛下に手紙を渡したとかニュースになっている。一部では、懲罰すべきだという意見まである。不敬罪(そんな法律はない)とか、天皇の政治利用は憲法違反(解釈の幅が広すぎる)とかの言葉がメディアにすら飛び交っているが、私は懲罰なんてしてはいけないと思ってます。国会議員というのは、明確な法律違反で有罪となり、国会法109条の規定による場合以外は、国会の議決で除名するのにも批判的です。それは、戦前、斎藤隆夫が除名された例から、世論とそれを背景として国会の議決が、いかに流されるかを認識しているからです。そんな危ういことをするぐらいなら、次の選挙を落とせばいいのです。落ちないのであれば、それが民意なのです。それが、民主主義なのです。

 一方、山本太郎議員の行動には批判的です。彼は、天皇にどう言う行動を期待したのでしょうか。天皇陛下が山本議員の手紙に感心して、政府に影響力を行使するとでも思ったのでしょうか。

 それって、君主制を民主制と整合させて立憲君主制を構築してきた数百年の歴史をちゃぶ台返しするものです。それに、そもそも、陛下がご存じないと思っているのでしょうか。王はいい人だが、取り巻きが悪いとの言説は、歴史を少し見れば、君主制の国で常にあって、それを理由に幾多の戦いが起こってきたのです。近くは2.26事件だってそうですよね。

 君主に伝えたら自分の意見が入れられてたちどころに解決する、というのを期待する心も私は嫌いです。水戸黄門じゃあるまいし。その心が独裁者を生み出し、ヒトラーを生んだのです。

 当たりついでにもう一つ当たっておくと、メディアのこの事件の伝え方も変でした。私が、Twitter で知ってからいくつかのメディアを見ても、園遊会は長島の話しなぞを伝えてました。初めのニュースは山本議員の弁明だったもんね。世論の行方を見て、叩けそうだとなってから、みんなで叩く。しかも、「政治利用なのではないか」とか、論拠を示さないのはまったく不見識。こちらにもうんざりです。

 と言うわけで、どっちもどっちなニュースだよなぁ、と憮然としています。

 

バナナとパイナップル

 最近、バナナとパイナップルが安いと思いませんか?バナナ一房6本98円とかパイナップル一本198円とか。味もなかなかな物です。これ、どちらもフィリピン産。

 これって、どうも領土問題が絡んでいるみたい。中国が南沙諸島の領土紛争の鞘当てに、検疫で難癖を付けて事実上の禁輸をしているそうな。国際政治なんてそんなものと言えばそうなんですけど、やっぱり、理不尽な国だなと思ってしまいます。それに、フィリピンは若い頃から3回行っていて、親近感がありますし。と、言うわけで、見つけたら買ってます。ま、安くて美味しいんだからそんなこと言わなくても、買って食べればいいんだけど。

 皆さんも、見つけたら買ってあげて下さいね。

 

『The Rational Optimist: How Prosperity Evolves』読了

 『赤の女王』で有名なサイエンスライター Matthew W. Ridley の最新作(と言っても、2010年ですが)。翻訳は『繁栄―明日を切り拓くための人類10万年史』というタイトルで出ています。Kindle のお蔭で英語で読むようになりました。若い頃からこれがあれば。

 『人類の歴史上、現在が一番いい時代で、これからも良くなり続けるだろう』というのがテーマ。世の中にある「昔は良かった」論や「もうすぐ滅亡」論がいかにナンセンスかを片っ端から論破しているのはなかなか痛快。特に「もうすぐ滅亡」論は過去100年だけを取ってみてもたくさんあって、どれも、結局実現しなかったのを例示して、現在言われているものも問題ではないと論陣を張っているのは好きです。

 そう、我々は人類史上最高の時代に住んでいるのです。客観的な目をもてば、めちゃめちゃ明らか。それを貶めるのは、なんらかの意図があるのでしょう。考えてみれば、その手の議論て宗教に似てます。「悔い改めよ、神の国は近い」と「悔い改めよ、温暖化は近い」って、同じ構造。宗祖のなれば美味しいことがたくさんありそうだもんね。

 我々は、そんなものにだまされずに「Don't warry, be happy」で参りましょう。その方が人生楽しいし。

『マヨラナ―消えた天才物理学者を追う』読了

 なぜこの本を買ったのか覚えてないのですが、腰巻きに「物理屋でこの男の名を知らぬ者はいない」なんて、竹内薫が書いていたので、「あ、俺知らん」と買ってしまった模様。竹内薫の言うことに間違いが多いのに気がつく前だったのか。

 西洋のノンフィクションの例に漏れず冗長でかなり辟易しましたが、マヨラナという人の伝記と人となりはかなり引かれました。ものすごく頭の回転の速い人、自尊心が強く、人付き合いの悪い人。西洋の科学者と付き合っていると、そんな人に時々会うのですが、その極致。周りが理解するより先に行き過ぎてしまったので、周りから理解されない。その孤独感を感じさせてくれます。

 実は、共感を持つエピソードがあったので、冗長な割には良い読後感を持つことができました。それは、彼が自分のアイデアを誰かが先に発表したら喜んでたという逸話。私も、専門分野からちょっとだけ外れたところでアイデアを思いつくことがあります。論文として実現しようとするとレビューとかエライ大変なのでほったらかしにしているのですが、たまに、誰かが発表しているのを見かけることがあって、嬉しくなります。「俺は間違ってなかったんや」と確認できるからね。今の論文レビューの形式主義にウンザリしている描写も「うんうん」だし。天才と比較するのは恐れ多いのではありますが・・・・

 普通の人にも、物理屋にさえあまりお薦めできる本ではありますが、私は読んで良かったかな。

 

http://www.amazon.co.jp/dp/4140816058

 

Mavericks アップデート雑感

 ちょっと日和ってたのですが、Twitter でアップデートした人の話しがいくつか出てたので(それに、科研費の申請書が一段落した)アップデートしちゃいました。きびきび動くというのは、感じます。それと、スリープからの起上がりが速くなったのが便利。でも、一番驚いたのは、何の問題もなく使えたこと。昔は大変でした。OS のアップデートと言うと、バックアップを取って、覚悟を決めてでしたもんね。そう言えば、同時期のアップデートになった、Windows 8.1 の方は大変みたい。そりゃ、ハードを決め打ちできる Apple は楽だけど、それでも、ユーザー環境はいろいろ。

 iOS も 7 になりました。こっちも、使い勝手の連続性は維持されてます。ぶっ飛んだのは、かみさんが iPad をアップデートしていたこと。以前なら考えられませんよ。iPad air の発表イベントによるとアップデート率はその時点で64%!わが奥様がアップデートしている状況でないとこの数字は出ないよね。これで、ターゲットOSの決め打も可能なわけで、ビジネスとしては単純になります。このアップデート率にはどっちも OS が無料というのは大きく寄与してます。無料って損してるみたいでも OS を早く移行してもらった方がサポートが楽になるわけで、損して得とれだよね。

 Mavericks の新機能を見てると、iOS とのコンバージョンがまた進んでます。Map に iBooks。でも、漸近的になってきたから、早めの統合はないのかな。Map はまだまだだけど、iBooks はありがたいかも。これに刺激されて、Kindle for Mac を日本語対応にしてくれませんかね、アマゾンさん。

 iWork の無料化はインパクトあるかもしれません。今やタブレットの方が圧倒的に多数派。しかも、アクティブユーザーは iPad で多いとなると、iWork on iPad で文書作成をする人々も出てくるでしょう。それと、Mac が連携するとなると、Word の牙城に穴を開けるかもしれません。

 あとは、なんだっけ。タブファインダとか細かい話しだよね。マルチディスプレーの扱いとかバッテリー長持ちは嬉しいかも。でも、結局一番嬉しいのは確実に改善しているOSに安心してアップデートできたこと。これは地味だけどすごい!

 

レストラン表示偽装

 ホテルのレストランの表示偽装というのを、例によってメディアが袋だたきにしている。レッドキャビアと言ってトビコが出てきていたとか、フレッシュジュースをその場で絞ってなかったとか、なんとか海老がかんとか海老だったとか。

 わたくし、恥ずかしながら、マスの卵をレッドキャビアと言うなんて知りませんでした。マスはサケと近縁だからイクラみたいなものよね。キャビアよりかなり大きい。サイズ的にトビコ方が似てるから、二つ並べられたら、「こっち」とトビコを指さしたでしょう。海老の種類もあんまり知りません。ま、完全にだまされる人です。フレッシュジュースは分かると思いますけどね。

 自分で分からないのであれば、表示はあんまり気にしません。だって、意味ないもの。そんな表示にだまされたからと言って、大騒ぎするのは自分では情けないことだと感じます。私は違いが分からなかったと告白しているようなものですし。

 もう一点笑ったのが、ホテル側が「表示ミスであって意図的偽装ではない」と強調していたことです。これ、どっちが実害が大きいと思います?意図的でないと言うのは、「食材の知識がまったくありません」と言っているようなもの。料理人が食材を間違えた?そりゃむちゃくちゃや。納入業者がウソ付いてた?それを見破れない料理人ではねぇ。料理人とメニュー表示係の連絡ミス?メニューを書くったって食材の知識ゼロでは困る。と、どんな間違いにせよ、一流ホテルのレストラン関係者としてはお寒い限り。私なら、「ウソついてましたすんません」なら行くけど、「食材を間違えてました」なら行く気がしないなあ。

 おっと、本音は「美味しかったらまた行くけど、美味しくなかったらもう行かない」と言うだけだから、それは関係ないか。